再会

先日、以前、当院で治療をされていた患者さまAさんのご家族が訪ねて来られました。

正確に言えば、Aさんの婚約者だった方です。

Aさんは、当院が免疫治療を始めて間もない頃の患者さまで、いつもお二人いっしょで熱心に

治療に取り組まれていました。

当時は、今以上に状況の厳しい方や若い方が多く、Aさんは、その両方にあてはまる患者さま

でした。

「厳しいとは、わかっているけど希望は捨てません。自分には、まだやることがあります。」と

ご自身でたくさんの情報を集めてこられては、相談されていました。

あまり治療以外のことは話されなかったのですが、一度だけ婚約者への思いを語ってくださっ

たことがあります。

その思いの深さからくる苦悩に、カウンセラーという立場を忘れて共に涙したのを覚えています。

厳しい寒さが近づく前の11月、Aさんは、帰らぬ人となられました。

久しぶりに再会した彼女は、どんな思いでどんな日々をすごしたのか聞くまでもなく、苦難を

乗り越え、また新たな旅立ちをしようとする者の強さを感じました。


彼女のように亡くなられた患者さまのご家族が、当院をお訪ねになることは、めずらしくはあり

ません。

私たちは、病を克服するために共に戦った同士のような者ですから、時になつかしく思いだし

ていただけることは、うれしいことです。

ある患者さまの娘さんが「母は今もそばにいて見守ってくれていると思います。それは、母が

生きていた時以上に感じるのです。」と話してくださいました。


生を受けた以上必ず死という終りがあります。

しかし、それは肉体としての終わりであって魂は永遠に愛する人たちと共にあると考えたら

どうでしょう。

生を全うすることは、とても大切なことですが、決して死はすべての終わりでも敗北でもない

ということを私は、たくさんの患者さまやご家族を通して学ばせていただきました。


Aさんは、11月で7回忌を迎えられます。

今回の再会で、Aさんがどんなに彼女のことを思っていたか、幸せを祈っていたか、天国の

Aさんになり変って、あらためて伝えることができました。

きっと、あれから6年たった今、私がこのことを伝える必要なタイミングであり、また彼女に

とっても必要なタイミングだったのかもしれません。

Aさんの思いの深さを聞いた彼女の美しい笑顔が、なおいっそう輝いたのを見て、私は、きっと

彼女は幸せになると確信しました。

                                   藤岡医院 カウンセラー 藤岡ふみよ

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このページは、藤岡医院ブログが2009年5月28日 10:53に書いたブログ記事です。

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