当院のがん治療は、温熱療法としてハイパーサーミア療法を行っています。
これは、がん細胞が熱に弱いという性質を利用したもので、患部をいかに
効率よく治療温度まで上げるかが、ポイントです。
この、がん細胞が熱に弱いという性質が認識されたのは、はるか昔の紀元前
のことだと云われています。しかし、21世紀となった今日においても熱の力
だけで、必ずしもがん細胞を制することができないというのも事実です。
それでも、あえて私がハイパーサーミア療法を当院のがん治療に取り入れたのは、
まず熱でがんの縮小を図ることはもちろんのことですが、大きな副作用がないこと、
免疫療法、化学療法、放射線療法などの治療との相乗効果が期待できること、
ハイパーサーミア単独でも免疫力の向上が期待できることなどでした。
この3月で、ハイパーサーミア療法を始めてちょうど1年が経ちました。
約130名の患者さまにこの療法を施行させていただきました。開設当初より
ずっと治療を続けていらっしゃる方もいらっしゃいます。そのなかには腫瘍の
縮小効果や腫瘍マーカーの低下が見られた患者さまもいらっしゃいますが、
この治療を続ける理由として「気持ちが良いから」「体調が良いから」と言われる
かたも少なくありません。
腫瘍マーカーが低下するとか、画像上で腫瘍の縮小効果が認められるなどの
直接的な治療効果の評価ができなくとも、体調が良いことを大切にしながら
日常生活を楽しんでくださっている患者さまがいらっしゃることは、私の大きな
喜びであり、このことこそ私が治療において最も大切に思うことでもあります。
「びわ温圧療法」も温熱療法のひとつとして、今月より正式に開始しましたが、
多くの患者さまに好評をいただいております。当院の施術だけでなく、自宅でも
ご自身で取り組まれている方もいらっしゃると聞いています。

このように、温熱療法が単なるひとつの療法に終わることなく、治療を受けられる
患者さまのこころも温め生きる力につながっていることに、私は、がん治療の活路を
見出した思いでもあります。そしてこれからも、常に患者さまに寄り添い、共に考え共に
歩む姿勢であり続けたいと願っています。
藤岡医院 院長 藤岡靖也
