前述の検査は、再発・転移の危険度を探るのにも役立ちます。また、機能性食品の選択や再発・転移予防のために使用する医薬品の選択にも役立ちます。免疫力に問題がある人や酸化傷害が強い人は、治療によりどれだけ改善したか経過を追うことが重要です。しかし、この検査だけでは不十分なところもあり、画像診断や腫瘍マーカーも併せて経過を追う必要があります。
 再発・転移を予防する目的で機能性食品を摂られる場合は、「がん」予防で機能性食品を摂られる方よりやや慎重な選択が必要です。例えば、手術後で大量抗がん剤を使用中の方は、免疫を刺激するキノコ系の摂取は控えた方がよいと思われます。逆に、活性酸素を取り除く抗酸化食品はしっかりお摂りになることをおすすめします。
 術後1年6ヶ月以内の方は、通常「がん」患者様が摂られるのと同じ量をおすすめしています。逆に手術後1年6ヶ月経っても再発・転移のない方にはキノコ系と抗酸化食品を「がん」の患者様の半量摂っていただいています。免疫力の向上のみならず、良い免疫のバランスも維持して、再発・転移のリスクを軽減することを目的とします。
 医薬品の中にキノコの注射剤があることをご存知でしょうか?使用適応は限られていますが、抗がん剤に分類されています。しかし、実態は免疫力を増強させる注射剤だと理解してください。吸収が100%行われるのが注射剤の特徴です。
 口から摂るものは、錠剤・顆粒・カプセル・液剤などさまざまですが、特にキノコ系は吸収効率が悪いと言われています。その点、注射剤であれば吸収効率がよく、口から摂るキノコ系以上の免疫賦活効果が期待できます。週1回の注射で効果は1週間持続します。また当院では抗酸化注射剤としてグルタチオンを使用しております。キノコ系と抗酸化剤の組み合わせが大事だと述べてきましたが、それは注射剤においてもまったく同じです。
 手術後に、再発や転移を予防するため、免疫細胞治療を行う場合もあります。前にLAK治療、NK治療が再発・予防効果があると書きましたが、できるだけ手術後早期に行う方が予防効果は高まります。
 手術後に抗がん剤を使用するケースを多く見受けますが、基本的にLAK治療、NK治療などの免疫細胞治療との同時併用はできませんので注意が必要です。併用する場合、どちらを先にするかは、患者様に選択していただいております。手術後1年以上、再発・転移が認められない方には、免疫細胞治療ではなく、機能性食品や医薬品を用いた治療をおすすめしています。